ステンレス鋼について
ステンレス鋼は鋼の一種で、鉄を5割以上とクロムを1割以上含んだ合金です。
英語では「 Stainless Steel 」と書き、ステンレススチールと読みます。
他にも「不銹鋼(ふしゅうこう)」や「SUS(さす)」、単に「ステン」と呼ばれることもあります。
「Stainless Steel」は「Stain(汚れ・錆び)」「Less(無い)」「Steel(鋼)」という意味があります。
「SUS」は、JIS規格でステンレスを指す規格番号で「SUS304」のように数字と組み合わせて規格を指します。
このSUSは「Stainless」「Use」「Steel」の頭文字を組み合わせたものです。
ステンレス鋼は錆(さ)びにくく、普通鋼よりも強度が高く、切削性が悪い等の性質を持っています。
錆びにくいので、水回りに使われる金属材料として広く用いられています。
使用例
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- 蛇口・流し台・なべ・やかん・フォーク・ナイフ・スプーン
- 洗濯機のドラム・食器洗い機の内壁
- プール・浴槽
- 西武ドーム・ナゴヤドーム・大阪ドーム・札幌ドームの屋根
- 鉄道車両部品など
ステンレス鋼の種類
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- マルテンサイト系ステンレス鋼:鉄とクロムの合金
- フェライト系ステンレス鋼:鉄とクロムの合金
- オーステナイト系ステンレス鋼:鉄とクロムとニッケルの合金。磁石がくっ付かない。
- オーステナイト・フェライト二相ステンレス鋼:
- 析出硬化ステンレス鋼:固溶化熱処理後、時効硬化したもの。
SUS304の性質
ここでは最も広く用いられているステンレス鋼であるSUS304(さすさんまるよん)の性質を紹介しています。
面心立法格子構造
比重7.9
非磁性
引っ張り強さ520MPa
融点1400℃
電気抵抗率72nΩ・m
熱伝導率16.7W/(m・K)
ヤング率197GPa
剛性率82GPa
体積弾性率194GPa
ポアソン比0.3
ビッカース硬度 MPa
なんで、ステンレスはサビないの?
「錆(さ)びない」んじゃなくて、「錆びにくい」んです。
ステンレス鋼でも本気を出せばサビます。
錆びない理由は、含まれるクロムによりステンレス鋼の表面に不動態被膜が形成されるからです。
不動態被膜はクロムが発生させるサビみたいなもので、
鉄のサビよりも早くステンレス鋼の表面を覆ってしまいます。
この不動態被膜が、「鉄をサビさせる原因」が「鉄(が主成分であるステンレス)」に触れるを防いでいるため、錆びにくいのです。
ステンレス鋼をサビさせるには、傷を付けたり、鉄さびの原因を長期間に亘り密着させるなどして、表面の不動態被膜を破壊します。
ミニ四駆では
「中空ステンレスシャフト」や「ステンレスビスセット」などに使われていますね。
これは、ステンレスが普通鋼よりも高い強度を持つ素材だからです。
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おわり。
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