オイル・潤滑油のこと。「さらさら」「とろとろ」の液体。
粘性(ねんせい)が高く、皮膜が丈夫なので、物体間の摩擦を軽減させます。
防錆(ぼうせい)や絶縁(ぜつえん)などの性能も持っているので、多くの機械に広く利用されています。
潤滑油は一般的に、油に添加剤を加えたものが使われ、添加剤と粘度(ねんど)により分類されます。
添加剤
添加材には多くの種類があります。以下に挙げるのはその一部です。
- 清浄剤:高温中で発生する有害なスラッジを金属表面から取り除き、化学的に中和にする。
- 酸化防止剤:過酸化物と反応することにより、油の酸化を防止する。
- 摩耗防止剤:二次皮膜を形成して摩耗を防止する。
- 極圧剤:↑の摩耗防止剤よりも、早く・強い二次被膜を形成する。
- さび止め剤:保護被膜や酸の中和により錆を防ぐ。
- 腐食防止剤:潤滑油の劣化により発生した、酸化成分を中和する。
- 金属不活性剤:金属表面を不活性にする。
- 粘度指数向上剤:温度変化による粘度の変化を低減する
- 流動点降下剤:低温中での成分の結晶化を防ぐ。
- 消泡剤:泡を消す。
- 乳化剤:水と油など、混ざりにくいものを均一にが混ざるように作用するもの。
- 抗乳化剤:↑の乳化剤の逆の作用を持つ。混ざりにくくする。
粘度(ねんど)
粘りの度合いです。
粘度グレード VG(びすこす ぐれーど)であらわします。
液体の粘度は温度が上昇すると低下します。
あったかいと「さらさら」で、さむいと「どろどろ」です。
ISOではVG2~VG3200までの規格があります。
VGが低いと「さらさら」で、高いと「どろどろ」です。
潤滑法
潤滑法には以下の種類があります。
- 手注し(てざし)
- 滴下(てきか)
- 油浴(ゆよく)
- 跳掛け(はねかけ)
- 噴霧(ふんむ)
手注し(てさし)
最も簡単お手軽な潤滑法。
人間が油の状況を判断して注油します、給油を忘れてしまうという問題があります。
ミニ四駆は手注し潤滑です。
滴下(てきか)
点滴のような方法で油をさします。
注油箇所の上に油貯めを設けて、油滴を落下させます。
「手注し」のような給油忘れを防止できます。
油浴(ゆよく)
摩擦部の下に油貯めを設けて、一部を潤滑油に浸す方法。
摩擦部を油の中に半身浴させます。
跳掛け(はねかけ)
摩擦部の下に油貯めを設けて、軸の回転の勢いで油を潤滑箇所全体にまき散らします。
クルマ・バイクの減速歯車装置などに広く使われます。
噴霧(ふんむ)
油を圧縮空気で霧状にして潤滑面に吹き付けます。
圧縮空気のおかげで冷却効果が高く、
霧状なので細かい部分まで送り込むことができます。
超高速で稼働する箇所に適しています。
使用例
油浴潤滑装置の例
油浴部内部↓これは保守のために外装を取り外しています。
歯車の一部が潤滑油に浸かっています。
油浴部外観↓
滴下潤滑装置の例
これは滴下潤滑の一種「灯芯潤滑装置」の例です。
灯芯とは、アルコールランプでいうと火をつけるところ。
糸を編んだロープのような繊維、液体をじわじわ通すあれです。
油貯めの下には大きな回転軸が通っています。
その回転軸まで、じわじわと潤滑油を落としています。
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おわり。
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